いつの頃からか、患者会は骨抜きにされてしまいました。
がんに係る患者会の多くは、残念ながらその支援団体や、バックグランドが行政や製薬会社などから資金提供を受けています。
残念ながら、会の活動と維持には、いくばくかのお金が必要ですしどこかの団体などの支援が必要となります。
がん対策基本法が平成18年に施行されたのがきっかけで、行政側も積極的に患者会などの支援を行っていただけるようになりました。
半面、国の方針と異なる考え方や行動をとる団体に対しては、暗黙の圧力がかかる仕組みも構築されてきました。
製薬会社や国、医師会が正しいと考える、支援してもいいと考える患者会は、標準治療こそが正しいがん治療でありそれに沿ったもの以外は、認めないというものです。いわゆるエビデンスがない治療法は支持できないといったところです。
また、がん治療そのものについては医師や行政側が考えることであり、患者会側は、そのことに言及をしないというのが、暗黙のルールのようになってきました。多くの患者会が協力し、標準治療を行う医療機関や病院などで、ピアサポート事業を行っていますが、ここでは、心のケアや生活上の問題などを中心としたもので、治療法などは相談にのれないことになっています。医師ではないので治療法に言及するのは、問題かもしれませんがその選択肢を患者同士の会話の中から排除するという行為は自然であるとは思えないし、真に患者が求めているものとは違うような気がしてなりません。
当然、専門家会議等などに参加できる患者会の代表者も行政側の考え方の人たちです。
行政側が、患者の意見を取り入れるというときには、必ず自分たちの側の患者会の人が表に立ち、マスコミもそれが患者の声を代表しているかのように報道します。明らかに、間違っています。
医師でもあった三浦捷一氏が、全国のがん患者に呼び掛け、がん患者大集合のイベントをNHKホールを借り切り開催されたのは2005年のことでした。私たちの患者会も賛同し、私もお手伝いに参加したことが記憶に残っています。
当時の患者会の方向性は、「国のがん対策に物申す」というものでした。「何かおかしいのではないか?」「このように改善してほしい」・・・などだったと思います。
いつの頃からか、多くの患者会は骨抜きにされてしまいました。