問題なのは、このシステムが適応されない治療は、否定するという考え方です。これは、全く科学的ではない。
がんにおける標準治療と言われる治療法は、健康保険が適応された治療法のことになるでしょう。
それでは、健康保険として認めらるためのルールはどのようなものでしょうか?
「すでに、治療効果について十分な解析がなされていて、国が安全性と有効性を認め、日本国民ならば、全国どこでも誰でも平等に受けられる高度な治療が原則となります。」
近年の保険適応では、重粒子線治療のようにその施設がなければ、受けられないので全国どこでも、というところは例外が生まれていますし、リンパ腫で保険適応になった高額な薬剤キムリアなどには、年齢制限があるなど、例外はありますが、原則は上記なような考え方で認められるものでしょう。
日本の健康保険は、世界でもお手本になるぐらいよくできています。どこでも、だれでも高度なエビデンスのある治療を平等に受けることができるからです。高額な薬剤でも、その仕組みの中でお金の心配なしに使用できます。
わたし自身もかなり恩恵を受けている一人です。
したがって、このシステム自体を否定しているわけでは全くありません。
ただ、問題なのは、このシステムが適応されない治療は、否定するという考え方です。
これは、全く科学的ではありません。